【遊技産業の視点　Ｗｅｅｋｌｙ　Ｖｉｅｗ】 (1/2ページ)

　□久井田慎司　哲商事取締役営業本部長岩手県遊協青年部会長

　■震災から「日常」を取り戻すために

　それは突然発生した。２０１１年３月１１日１４時４６分１８秒、仙台沖７０キロの海底を震源とするマグニチュード９の地震。東日本大震災である。最も大きな被害をもたらしたのはその揺れの後に発生した津波であった。数多くのかけがえのない命が奪われた。

　私は、岩手県の内陸部で地震に直面した。あまりのショックで数時間はまともに物事を考えられなかった。ただ、自店は内陸にあることと、スタッフが的確な避難誘導を行ってくれたおかげで、負傷者は出さずにすんだ。しかし、このような事態の中で営業どころではない。苦悩する私にマネジャーから営業再開の指示をあおぐ電話がかかってきた。だが、そんな不謹慎なことが許されるのか。自問自答の日々が続いた。