葬祭分野で圧倒的な情報発信を誇る鎌倉新書。1999年から情報ポータル(玄関)サイト「いい葬儀」を運営し、情報入手の環境改善に尽くしてきた。今年5月にはヤフーと共同で、情報発信や課題解決の窓口を新たに立ち上げる計画。清水祐孝社長は「葬儀は人が他人(の死)を契機に生への誓いを立てる重要な場面。人と人のつながり、人への感謝の気持ちを具現化するお手伝いをしたい」と力を込める。
--いい葬儀を開設した理由は
「もともと葬儀業界向けに雑誌を発行してきた。だが市場が成熟期から衰退期へ移るなか、顧客ニーズが多様化し、雑誌だけでは網羅的にニーズを満たすのは難しくなっていた。そこでコンサルティングやセミナーも行っていたが、1990年代に入りインターネットが普及し、情報伝達手段として使えると考えた。最初は葬儀のしきたりや焼香のやり方といった情報を載せるだけで収益源ではなかった。しかし、葬儀会社を紹介してほしいという消費者からの相談が年を追うごとに増えたため、正式に担当者を置くことにした。それが10年あまり前のことだ」
--内容は
「提携している葬儀会社の情報や標準的な葬儀プランを掲載し、メールや電話で問い合わせしてきた顧客ごとに最適なものをご紹介し、提携先から仲介料をいただいている。電話対応は24時間365日行い、メールでは無料の見積もりも行っている。開設以来の相談件数は10万件を超えている。一般的な人は一生に何度も(家族などの)葬儀を経験しない。十分な情報を持たず、葬儀会社をどう選べばいいか分からない人が多い」