4月の消費税率引き上げを受けた国内新車販売の減速が懸念されてきたが、どうやら最悪のシナリオは回避され、比較的落ち着いた販売動向が見込めそうである。駆け込み需要は2月で一巡し、3月初めからディーラーへの客足は落ち込んだ。確かに4月に入っても受注は冷え込んでいる。3月末で非常に高い受注残を各社で抱えているため、4月の販売台数は駆け込み需要の余熱で意外にも前年並みを確保できそうだが、足元の受注減少を受ける5月からは2桁の大幅減少が不可避であり不安も台頭しそうだ。
日本自動車工業会(JAMA)は3月20日に2014年度の四輪車需要見通しを前年比16%減の475万台と公表した。そのような激減が現実のものとなれば、アベノミクスが目指すデフレ脱却など風前のともしびとなりかねない。JAMA予想数値はあまりにも政治的過ぎるだろう。春闘を意識した慎重な暦年予想(485万台)が先にありきのようであり、駆け込み需要の反動減を受ける年度予測を単純に暦年予想からさらに10万台引き下げただけに見える。