さまざまな技術によって開発されたQSの事例が紹介された=3月25日、東京・銀座【拡大】
一方、お茶の水大学博士課程の門村亜珠沙氏は、食育の研究を発表した。
「『ピーマン食べてね』と子供に言っても、自らすすんで食べるようにはならない。コンピューター技術を利用して、子供がいつの間にかピーマンを食べるようになる。そんな方法を研究しています」
スマホと連携するセンサーを組み込んだフォークによって食べている食材の色や食行動を検知し、いろいろな食材を食べるとスマホ上のパンダのキャラクターが喜ぶ仕組みを開発した。
「日用品に技術を組み込み、やる気の出るフィードバックによって楽しく行動を改善する『Persuasive Technology(パースウェイシブ テクノロジー)』の研究を今後も深めていきます」
技術の進歩とさまざまなアイデアが、堅苦しくなりがちな自己管理を楽しく便利にする未来を垣間見ることができた。(つづく)
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【用語解説】クオンティファイド・セルフ(Quantified Self)
米シリコンバレー発のムーブメント。コンピューターや機器などで自分の行動や状態を記録・客観視し、そこから得られる発見をより良い生き方につなげる取り組み。
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【プロフィル】駒井研司
こまい・けんじ ネオレックス副社長。自己管理のためのiPhoneアプリ「MyStats」(マイスタッツ)発案者。
Twitter.@kmikng