昨年訪日外国人観光客が1000万人を突破した。政府は2030年に3000万人を目標としており、ホテル・旅館などの宿泊業への追い風が期待される。しかし08年のリーマン・ショック以降、宿泊業の倒産は高い水準で推移し、特に旅館は1989年から4割以上減少しているのが現状。宿泊施設用に外国人宿泊客向けのウェブサイトを運営するユーザラスの榛澤慎太郎社長は「市場環境の改善に向けて、外国人へのおもてなしと中小の宿泊施設の活性化は不可欠」と話している。
--なぜ外国人客向けのサービスを始めたのか
「20年開催の東京五輪に向けて外国人観光客のさらなる増加が予想される。しかし中小規模の宿泊施設ではコスト削減でスタッフを増やせず、外国語対応可能な人員が少ないこともあり、うまく取り込めていない。そこで当社は低コストの新サービス『ウェブコンシェルジュ』を開発した。初期費用は10万円からで、月額費用は1万9800円からだ」
--具体的にはどんなサービスか
「フロントに設置したパソコン、タブレット、スマートフォンなどの端末を宿泊客自身が操作して、宿泊場所を起点とした店舗情報、主要観光地へのアクセス情報の入手のほか、タクシーも手配できるというものだ。英語、韓国語、中国語に対応している。外国人への案内は1回当たり1時間を要する場合もあるので、人件費の削減と業務効率化にもつながる」