本気度みなぎらせるプロフォトグラファー、赤山シュウさん【拡大】
島根県松江市にすごいプロフォトグラファーがいる。彼の名は赤山シュウ(今出屋プレスフォトサービス)。東京写真専門学校時代、サンケイスポーツ写真部でアルバイト中とんでもない失敗をやらかした。東京国際映画祭ヤング・シネマ部門グランプリを受賞(1985年)した相米慎二監督の花束贈呈シーン撮影が初めての写真取材のミッションだった。多くの取材陣に交じって花束贈呈シーンを撮りまくった。意気揚々と新聞社に戻るとき、フィルムが装填(そうてん)されていなかったことに気付く。
一瞬いろいろな言い訳を考えたが、結局正直に謝った。激しく叱責され、そして「明日の新聞がどうなるか見てみろよ!」と言われた。
翌日の東京国際映画祭記事に受賞した相米監督は“顔写真”のみだった。自分の失敗した結果起こった現実を思い知らされがくぜんとなり猛省。以来、カメラに慣れて身体の一部のように使いこなすことに努めた。道具の不調など失敗の理由にならない。万が一失敗した際は、誠心誠意潔く素直に謝罪。そしてその結果から逃げることなく、すべての責任を負うプロの覚悟をこの失敗から学んだ。
以降、この失敗体験を忘れないよう刻印し、真剣勝負、全力投球で仕事をしている。尊敬するロールモデルは写真家の故・植田正治さん。植田さんは寝ても覚めても写真のことを考え、今日より明日は少しでも良いものを創出すべく努力を怠らなかったという。赤山さんも写真をとことん愛し、人生最後の日まで成長し続ける気持ちを持ちたい!と語る。