銀行や証券会社で女性の幹部登用が増えている。金融機関は比較的、女性活用が遅れているとされてきたが、安倍晋三政権が成長戦略の一環として推進する中、役員や傘下企業の社長に抜擢(ばってき)する例が相次いでいる。
三井住友銀行は4月1日付で、前プロジェクトファイナンス営業部部長の工藤禎子氏(49)が執行役員成長産業クラスターユニット長に就任。環境や医療・介護、農業といった成長分野の事業への融資などを担当する。みずほ銀行も同日付で、前A・L・Cアドバイザリー部長の有馬充美(あつみ)氏(51)が執行役員コーポレートアドバイザリー部長に就いた。M&A(企業の合併・買収)を検討している企業に助言を行う。両行とも、女性の役員は初。
一方で、証券最大手の野村ホールディングスは、執行役員の真保智絵氏(48)が4月1日から、傘下の野村信託銀行社長を兼務し、女性初の銀行トップになった。金融資産保有者の高齢化が進んでおり、相続関連など信託銀行が扱うサービスの重要性は増している。