ウエディングパーク・日紫喜誠吾社長【拡大】
■結婚式場契約数日本一 口コミで急成長
人生の門出を演出するブライダル業界だが、矢野経済研究所によると市場規模は約2兆6000億円でほぼ横ばい。少子化で市場拡大が望めず、ブライダル関連各社は顧客取り込みに躍起になっている。こうした環境の中で、利用者の口コミ情報が支持され急速に式場の契約数を伸ばしているのが結婚式場紹介サイトを運営するウエディングパークだ。日紫喜誠吾社長は、「一生に一度の結婚式では失敗したくない。そのため実際に利用した人の口コミはニーズが高い」と急成長の理由を明かす。
--口コミが充実している
「もともとは1999年に創業したが、サイバーエージェントがM&A(企業の合併・買収)で2004年に傘下に収めた。業績不振を打開しようと、利用者による口コミに潜在需要があると思い、日本初の結婚式場口コミサイトとして、04年6月にサービスを開始した」
--社長就任当初は苦戦したようだが
「口コミサイトに転換したがすぐ成果は現れなかった。サイバーエージェントグループの場合、一定期間までに明確な経営結果を出さなければ撤退というルールがあった。期限までの達成困難が明らかになると創業時の役員2人が退社し、不安を感じた従業員20人のうち約半数も会社を去った。社内の雰囲気は悪化したが、何とか残った社員で苦境を乗り切った。結局目標には届かなかったが経営状況は好転していたため、役員会で事業継続が許可された」
--組織づくりで留意していることは
「苦しい組織運営を経験したことから、団結力を発揮できる組織をつくることが大切だと身にしみた。従業員とはできだけ交流を持つようにしている。オフの日も一緒にゴルフなどをする機会を持って、腹を割って話をする。昨年末には幹部が手紙と手作りのクッキーを従業員に手渡した。そうすることで会社のためにがんばろうと、思いを新たにしてもらえる」