【ステップアップ】はくばく「もち麦ごはん」 健康食品ニーズ追い風に拡販 (1/2ページ)

2014.6.5 05:00

長澤重俊社長

長澤重俊社長【拡大】

  • はくばくの「もち麦ごはん」。食物繊維を多く含み、テレビ番組などにも取り上げられて販売を伸ばしている

 少子高齢化の進展で社会保障費が増え続け、医療費の抑制が大きな課題となっているが、これに呼応するように健康長寿への関心が高まっている。毎日の食事から生活習慣を改善しようという健康食品のニーズは拡大する一方だ。こうした追い風を受け、穀類製品の製造・販売を主力とするはくばくは、大麦の中でも、もちのような食感をもつ「もち麦ごはん」の販売を伸ばしている。健康面での効能を前面に打ち出し、2015年3月期は、売り上げを前期比1.5倍の3億円に伸ばしたい考えだ。

 同社はもともと大麦を扱う会社がだったが、1950年代ころから消費が落ち始め、苦境に立たされた。このため鉄分などのミネラル、ビタミン類が豊富な雑穀類といった商品を伸ばしてきた。

 転機は2011年ごろ。長澤重俊社長は「雑穀もいいが、大麦を扱ってきた会社で、本来やるべきなのは大麦ではないか」と考えたという。大麦に豊富に含まれる「βグルカン」と呼ばれる水溶性食物繊維が、健康増進に効果があると、世界的にも認められたことが背景にあった。日本の特定保健用食品(トクホ)と同じような、健康食品に関する欧米の制度で、βグルカンの効果がうたわれ、広まってきた時期だった。

 米食品医薬品局(FDA)は06年に、食品の効能を明示できる健康強調表示(ヘルスクレーム)で、大麦のβグルカンは血中コレステロールを低下させ心疾患のリスクを低減させる効果があると認め、ハートマークという表示をできるようにした。

 さらにEUも12年に、健康強調表示で、血中コレステロール低下による冠動脈心疾患のリスク低減や血糖値の上昇抑制などβグルカンの効果を表示できるようになり、その動きは、カナダやオーストラリア、韓国にも広まっている。実際、日本でも大麦や雑穀などの穀物消費量が激減したころから、糖尿病の有病率が高まってきている。

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