野村不動産グループのビル管理会社「野村ビルマネジメント」とマンション管理会社「野村リビングサポート」が合併し、新会社「野村不動産パートナーズ」が4月に発足した。関敏昭社長は「これからの管理業は総合力が問われる。今回の合併で生じるさまざまな相乗効果を強みとして、さらなる攻勢をかけたい」と語る。
--合併のねらいは
「マンション管理業界を見渡すと、M&A(企業の合併・買収)が積極的に行われている。購買・発注面で優位に立つためにも、規模の拡大に伴う利益を追求する必要がある。この考えにのっとり、今回の合併に至った」
--新たに同業他社と合併するという選択肢はなかったのか
「管理物件の大半は野村不動産のマンション『プラウド』だ。管理費は高めに設定しているが、その分、丁寧な管理が特徴で、24時間駆けつけサービスを導入するなど顧客満足度も高い。生意気な言い方かもしれないが、こうした管理スタイルと整合性のある会社は業界内にはあまりない。こうした中、グループ内を見渡すと、野村ビルマネジメントとの間では、かなり重なる領域があることが改めて判明した。このため両者が一緒になることで、業務の効率化を図っていくことを決めた」
--具体的な相乗効果は
「リビングサポートの社員は文系が4分の3を占める。このため提案力やプレゼンテーション力を得意としていた。技術系の中では一級建築士の比率が高い。一方、ビルマネジメントは技術系が4分の3。電気や水道関連の専門家が多かった。この組織が一体化したことで、とくに強みを発揮できるのがマンションの大規模修繕だ。また、低層部が商業施設やオフィスで、上層部がマンションによって構成される都心部の再開発案件に関しても窓口を一本化できるなど、CS(顧客満足度)向上にもつながる」