□市場拡大へ、多様に進化するパチスロ
レギュレーションのドラスティックな変更で、一時は大幅な市場縮小を余儀なくされたパチスロ。しかしながら、メーカーの開発努力と市場における根強いファン育成への取り組みで市場は活気を取り戻し、今後もゲーム機世代の若年層を中心としたファン拡大が期待されている。パチンコ同様、かつてはリールをメインにしたアナログなゲーム性でファンを魅了したパチスロだったが、いまや液晶搭載は当たり前。複雑なプログラムによるゲーム性の深化とともに、エンターテインメントマシンとしての成熟度を高めつつある。
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■全方位の開発でパチスロの可能性を拡大
パチスロ5号機が登場してから約10年が経過した。当初、大幅なゲーム性の変化に既存ファンは付いていくことができず、一時期、その市場規模を3分の2まで縮小させた。最初の数年はファンの維持に向け、4号機のスペックに近づけた仕様を実現しようという開発傾向が見られたが、射幸性にこだわらない5号機ならではのゲーム性をアピールする機種開発に移行。2008年に遊技機規則における解釈基準の一部改正が行われ、リールのフリーズ演出や小役の優先など9項目にわたるゲーム性の拡大が実現してからは、さらにその傾向は加速していった。
多くのパチスロメーカーが姿を消していく厳しい状況のなか、メーカーの血のにじむような開発努力が繰り広げられた結果、もはやブームとは言わせない強固な地盤の上に新たな市場を形成。活況を見せるなか、さらなる新規ファン獲得に向けた試行錯誤が続けられている。
とりわけ、パチスロはパチンコホールからゲーム機世代と呼ばれる若年層ファンの獲得を期待されている。そのようななか、パチスロ特有の能動的なゲーム性を強調するゲーム性の搭載もスタンダードになりつつある。