□栢森秀行 ダイコク電機代表取締役社長
消費税の8%への上昇を受け、パチンコホール業界への影響が憂慮されていたが、弊社のデータを見る限り、比較的落ち着いた様相を呈している。ただ今後、じわじわとボディーブローのように効いてくる可能性は否定できない。環境の変化を背景にファン離れが懸念されるなか、より面白い遊技機の登場が待たれている。
パチンコでは、デジタルをいま以上に回せる機種開発に向けた内規の変更が行われたが、そういう機種に顧客を付けていく店側の努力が前提となる。また、パチンコの遊技性を考えれば、デジタル回転におけるスランプの存在もあることから、それに伴うストレスが顧客の嫌気につながるケースも想定される。遊技機のバリエーションを増やす努力は各社各様に行っているが、もはや小手先の工夫では市場を好転させることができない状況にあると認識している。
パチスロはボタンを押させるインターフェース、デジタルが回る・回らないかのストレスがないという点でパチンコとは異なる。その分、開発側の意図どおりの運用が比較的容易であるともいえるが、開発現場における閉塞(へいそく)感はパチスロも同様。市場のさらなる活性化に向けては、かつてない新たなチャレンジが必要だ。もちろん、既存のゲーム性を軸にした試行錯誤ではなく、パチスロに初めて液晶が搭載されたときのようなインパクトが求められている。