ANAホールディングス(HD)は30日、ミャンマーの中堅航空会社「アジアン・ウィングス・エアウェイズ(AWA)」への出資を取りやめると発表した。ミャンマーでは航空会社が乱立して競争激化が著しくなっており、収益環境が悪化していると判断した。
ANAHDは昨年8月、今年3月までをめどに、AWAの株式49%を約25億円で取得する方針を発表。他の東南アジア諸国やインドなどに近いミャンマーに拠点を持つことで、拡大が見込めるアジアの旅客需要を取り込む狙いがあった。
だが、ANAHDによると、昨年8月時点で7社程度だったミャンマーの航空会社は現在10社となり、年内には12社まで増えると見込まれている。過当競争の影響でAWAを含め各社の収益力は低下しており、出資を撤回することにした。
今後のアジアへの戦略投資について、ANAHDの殿元清司専務は29日の決算発表会見で「引き続きミャンマーに限らず、アジアの成長を取り込んでいきたい」などと意欲を示した。