国内第3位の航空会社スカイマークが、欧州航空機大手エアバスに発注していた超大型旅客機「A380」6機すべての購入を断念する見通しとなったことが9日までに分かった。代金支払いのめどが立たなくなり、7月下旬にエアバスから購入契約の解除を通告され、当初は交渉を続ける方針だったが、業績悪化の中で資金繰りをさらに圧迫しかねないと判断した。
同社関係者によると、西久保慎一社長がこのほど、社内向けのウェブサイトで「A380の導入は見送ることにしました」などと書いた。同社は国際線参入に向け平成23年、6機のA380を約1915億円で購入する契約を結んでいた。
同社の平成26年4~6月期決算(単体)は格安航空会社(LCC)との競争激化などを背景に最終損益が57億円の赤字に拡大し、事業継続に「重要な疑義」があると注記。A380の前払い金として納付済みの約260億円は「全額が返還されない可能性がある」としており、損失計上されれば27年3月期通期は大幅赤字となる可能性がある。
またエアバスからは違約金として約700億円の支払いを求められているが、減額を要請する考えだ。