□エクスペディア モバイル部門統括責任者・ジェラルド・シンさん(35)
--世界最大のオンライン旅行会社エクスペディアの利用者のうち、モバイル端末経由の割合は
「モバイル経由の予約は急激に増えている。これまでならホテルは事前に予約していたが、宿泊直前に旅先で予約する人も増えている。その傾向はモバイルの普及で拍車がかかり、今ではホテルや航空券の予約を済ませるだけでなく、航空機の発着時間変更や空港内のチェックインカウンターの場所も端末上で知ることができる」
--アジアや日本市場の位置付けは
「アジアはモバイルの普及率が高い。急激に経済成長しており、当社にとって不可欠な市場だ。中でも日本は米国に続く重要な地域であり、投資もしている。開発拠点は米サンフランシスコにあるが、日本のチームと連携を密にして、サービスを提供している」
--モバイル経由で予約する訪日観光客の動向は
「中国や韓国、東南アジアからの訪日客が増えている。日本を訪れる各国の人向けに多言語で対応し、利便性を高めている。さらに集客を促すためアジア各国に対して訪日キャンペーンを毎月展開している。何度も訪れているリピーターは地方都市を好むので、北海道や北陸、九州、沖縄など各地の旅行商品を用意して、日本の魅力を発信している」
--東京五輪が開かれる2020年に向けた対応は
「技術の進化はとても速く、今後の予測は難しい。当社はユーザーにとって、より便利なサービスを提供する。2020年にはモバイルによる予約比率はさらに伸びているだろう。そのころには腕時計型のようなウエラブル端末が普及しているかもしれない。日本は世界の中で最重要市場の一つ。今後も米本社から何度も訪日し、日本の消費者から好まれるサービスを提供するため工夫をしていきたい」