■教室展開とともに五輪代表も輩出
朝日生命体操クラブは1974年、「実業団女子体操競技クラブ朝日生命」として創部された。当時、朝日生命は78年に創業90周年を迎えるにあたり、記念事業として「健康づくり運動」というスポーツによる社会貢献活動を展開することが決まった。その一環としての創部だった。
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◆地域社会への貢献掲げ
同社は創業以来「まごころの奉仕」を基本理念としてきており、その理念を具体化するものとして国民の健康づくり、青少年の健全な育成への活動に取り組んできていたが、90周年にあたり、より具体的な形でいわば「スポーツの原点」ともいうべき体操を選び、その展開をはかることにした。
創部時、「日本を代表する選手の育成を通じた女子体操界への貢献」と目標を大きく掲げたこともあって、メキシコオリンピック代表で女子団体4位入賞に貢献した塚原千恵子氏をコーチに迎え、選手2人(同社職員)からのスタートだった。
その後、体操部の展開は、「体操を通じた地域社会への貢献および児童の健全な育成」を目的として「体操教室」の開設を行う。
つまり、日本体操界を代表するトップアスリートの育成を目指す朝日生命体操クラブと、地域の生徒・児童が体力、健康づくりのために通う朝日生命体操教室の2本柱で運営されることになった。そしてその一大拠点として朝日生命久我山体育館(東京都世田谷区)がやはり90周年記念事業として建設され、完成した。79年のことである。
このころには男子選手も入ってきており、同年にはメキシコ、ミュンヘン、モントリオールとオリンピック3大会で活躍し、3大会での団体金メダルほか9個のメダルを獲得し、ムーンサルト(月面宙返り)の大技で世界を驚かせた日本を代表する体操選手で千恵子氏の夫の塚原光男氏が監督に就任した。