【遊技産業の視点 Weekly View】 (1/2ページ)

2014.9.27 05:00

 □シークエンス代表 LOGOSインテリジェンスパートナー 三浦健一

 ■「のめりこみ」へ導く催眠要素

 ロジェ・カイヨワの著『遊びと人間』の内容から、パチンコにおける“めまい”と依存との関係について、まとめておきたい。

 カイヨワは遊びの領域を4つに分類している。「競争」「模擬」「運(偶然)」「めまい」である。これらはカイヨワのことばを借りれば、競争=個人の優越を示すこと、模擬=虚構の世界で役割を演じること、運=運命の恩恵を追及すること、めまい=わざとひきおこしためまいを官能的に楽しむこと、となる。しかし、このいずれもスロットマシンではごくわずかしか当てはまらないが、パチンコにはとくに「めまい」の要素がほかの要素よりも多いと分析している。

 「電気の点滅を見つめつづけねばならぬ業務と、障害物間を魔法のように、いわば願望の視線の重みをかけて、きらめく小さな玉を導こうとする執念からは、催眠状態に近いものが生まれる」。ここから有名な日本のパチンコに対する分析が始まる。これも邦訳(多田道太郎・塚崎幹夫訳)をそのまま引用すると、最初から「めまい」が何よりも楽しみとされている場合があるのがパチンコだ。

 また、この場合の「めまい」というのは「立ち止まることの難しさ、機械的行為と絶縁することのむずかしさ」だという。断っておくと、カイヨワがこれを書いた年代と現在とではパチンコも大きく変容しているが、本質の遊びの部分ではあまり変わっていないともいえようか。ともあれ、パチンコの「のめりこみ」のファクトを言い当てている。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。