大和証券は30日、大手銀行5グループが保有する株式の含み益が9月末に5兆9100億円に達したとの試算を公表した。株式相場の上昇で3月末比1兆4千億円以上膨らんだ。
この日の日経平均株価の終値は1万6173円52銭。3月末から1300円余りの上昇となった。政権の意向を受けた公的年金の買い支えや、急速に進んだ円安が株価を押し上げた。
これを受け、大手銀の保有株含み益も3月末の約4兆5千億円から大幅に増えた。大和証券の高井晃・チーフアナリストは「株式相場の上昇は、自己資本比率の改善など銀行財務に与えるプラス影響は大きい」と指摘する。
試算の対象となったのは、みずほフィナンシャルグループ▽三菱UFJフィナンシャル・グループ▽三井住友フィナンシャルグループ▽りそなホールディングス▽三井住友トラスト・ホールディングス-の5社。
一方、生命保険大手の国内株式の含み益は、日本生命保険が約3兆4200億円、明治安田生命保険が約1兆8千億円に達した。