日本では、スポーツ振興に関して民間企業に依存してきた面が大きい。ところが、バブル崩壊やその後の世界経済の混乱、日本企業にとっての強力なライバルとなる外資系企業の出現などを背景に、近年は運動部を廃止する企業も増えてきた。五輪に出場する日本チームを支えた名門実業団チームが姿を消し始める中で、日本のスポーツ振興は、誰がどう担っていくべきなのか。
◆歴史を通じ効果熟知
日本生命保険は、日本を代表する実業団チームとして長い歴史と輝かしい実績を持つ野球部、世界をも見据え、修練を続ける女子卓球部を擁している。同社はこうした企業スポーツをどう意義づけ、どんな展望を描いているのだろうか。
同社の筒井義信社長はこう説明する。
「企業が従業員で構成するチームを持つ、というのは世界でも珍しい形だ。しかし、日本では長らく続いてきたスタイルでもある。われわれ企業は社会の中で事業を営ませていただいている。そのため、企業は、社会に貢献していく責任もある。コーポレートスポーツは、その一つの形だと考えている」
つまり、企業スポーツには社会的貢献(CSR)の意識が欠かせないということだ。
企業スポーツは、プロチームの運営と違って、それ自体はビジネスとして成立しない。「経営に対する貢献はあるものの、それらは明確に立証できるものでもない」(筒井社長)
ただ、日本生命は、その長い企業スポーツの歴史を通じ、職員の帰属意識や一体感が強まることなどを熟知している。
「歴代の経営トップも、コーポレートスポーツに意義を感じ、続けることに強い意志を示してきた」(同)
もちろん勝敗が全てではないものの、勝つことで企業スポーツが与える影響度が大きくなっていくこともある。