■企業に伴走しサイト改善を提案
--電子商取引(EC)を総合的に支援するサービスを手掛ける会社を起業しようと考えたきっかけは
「前職の広告代理店で顧客のウェブマーケティングやECサイトの立ち上げなどに関わる中で、ECの利用が伸びると判断した。EC支援に特化した業務でこそ、私の価値も発揮できると考えて独立し、前の職場の同僚と2人で会社を立ち上げた」
--ECサイトを利用する消費者の行動に変化は
「サイトへのアクセスから始まり、商品を購入するという流れにつながる中で、半年前ぐらいからスマートフォンでのアクセスが増えている。今はパソコンとスマホが同じくらいだが、将来はスマホが主流になる。また、総合通販サイトだけでなく、メーカーが運営する直販を利用する人も多くなっている」
--提供するサービスの特色は
「消費者が使いやすいサイトを作ることを徹底して提案している。ECサイトは商品を実際に手に取れないという点で、購入につなげるまでのハードルは結構高い。コンサルティングというと提案だけで終わるケースもあるが、当社はいわば伴走する存在として、顧客企業のECサイト運営などについても継続して改善を提案する。こうした取り組みが評価されて紹介される仕事も多く、大手食品メーカーや有名スポーツ用品メーカーなど10社ほどと取引させてもらっている」
--今後の目標は
「今年は初めて新卒の学生を採用して、従業員も増えた。個人事業主のような形で始めた会社だが、組織づくりにも取り組みたい。創業前には、会社の主たる事業をECサイトの通販支援と情報提供でやっていこうと考えていた。軌道に乗りつつある通販支援だけでなく、情報提供の分野でもプラットホームを作りたい」
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【プロフィル】工藤暢久
くどう・のぶひさ 関西学院大院修了。2005年スパイスボックス入社。大手飲料メーカーやテレビ局などのウェブマーケティング、電子商取引(EC)コンサルティングを約7年担当。12年4月にEC総合支援会社、久(Q)を設立し現職。愛媛県出身。講演や記事執筆も多数。