国の重要文化財に指定された史料をはじめとして、約7万点の史料を収蔵する公益財団法人の江川文庫(静岡県伊豆の国市)はこのほど、新たな収蔵館の建設に向けた会合「江川文庫の集い」を東京都港区で開催した。
江川家は中世以来の在地領主の系譜を引き、江戸時代には旗本として幕府代官を世襲した。
江川文庫には古文書や書籍、焼き物、武器といった約7万点に及ぶ史料が収められている。とくに幕末時代に海防や西洋技術の導入に積極的に関与したことから、日本の政治・軍事、外交史の研究を進める上で重要なものが多く残されている。この中から約4万点が、2013年6月に重要文化財として指定された。
しかし、十分な保存環境が整っていないことから傷みが進み修復が必要な資料も数多く存在する。後世に史料をきちんと残すには収蔵館の建設が必要との考えから今回の集いを開催、建設活動に本格的に乗り出した。