グローバルドアは、ハワイのゆるキャラを扱ったアニメ制作や、お菓子の海外販売も支援している【拡大】
■翻訳を核に新事業展開
翻訳サービスを提供するグローバルドアが、新事業に乗り出した。新事業とは、アニメや絵本の製作支援を核とする娯楽事業だ。翻訳とは関係がなさそうに見えるが、平林智幸最高経営責任者(CEO)は創業当初から、社名でもある「世界の扉」を開き、日本の伝道師になるという夢の下で動いてきた。
グローバルドアは2008年10月に設立され、企業向けを中心に翻訳サービス「翻訳します.com(ドットコム)」を提供してきた。ホームページなどで受け付けた依頼について、約700人の登録翻訳者に翻訳を依頼する仕組みだ。
他社のサービスが英訳の場合で1ワードあたり18~20円するのに対し、同社は13円程度。しかも約30の言語に対応し、翻訳者で対応できない場合も、世界各国の提携先に依頼することができるという。
翻訳者を自社で抱える場合と違い、登録翻訳者のそれぞれが得意分野を持つため、幅広い依頼に応えられるうえ、納品前には誤訳がないか、同社が厳しくチェックしている。
このため、数十社が契約書やマニュアルといった高い品質が求められる翻訳業務を日常的に依頼、新規顧客も月に30社程度増えているという。平林CEOは「高品質、低価格、多言語という点では自信がある」と胸を張る。
翻訳サービスで勢いに乗る同社だが、現在、新たな事業アイデアを実行に移しつつある。平林CEOが取締役に名を連ねるパートナー会社が、ハワイのゆるキャラ「ホヌッピー」を題材にした絵本やアニメの製作を検討しており、グローバルドアが外国語への翻訳を担う予定だ。平林CEOは「アニメ化されて世界各国に作品が売れれば、翻訳の仕事がさらに増える」と期待する。
そのパートナー会社は、漫画家の松本零士さんの公式ウェブサイトも製作中。グローバルドアは、ここでも海外向けの翻訳を手がける方向だ。