遊休施設を植物工場に転用した「東芝クリーンルームファーム横須賀」=12日、神奈川県横須賀市【拡大】
電機大手各社が、かつて家電や半導体などを生産していた遊休施設を、植物工場に転用する動きが広がっている。ここ数年、海外企業との競争激化や円高の影響で国内の工場を閉鎖し、事業を縮小するケースが多かった。使われなくなった施設を活用し新たなビジネスに育てようとしている。
東芝は12日、レタスなどを生産する植物工場「東芝クリーンルームファーム横須賀」を公開した。照明を手がける東芝ライテックの工場内にあり、以前はフロッピーディスクを生産していた。もともとクリーンルームとして使われ、それを植物工場に転用した。
この植物工場は、全て東芝の独自技術を用いて生産しているのが大きな特徴だ。専用の人工照明を開発したほか、殺菌や消毒に効果のある水処理技術、高精度に温度管理できる空調技術を活用している。
収穫した野菜は、今月下旬から横須賀市内のスーパーや同社と提携するケンコーマヨネーズの店舗などに出荷する。現在、レタスなど10品目を生産しているが、今後、種類を拡大する。