■意図的に「番頭」育てねば勝てない
中堅・中小企業向けコンサルティング会社、ビズグロー(東京)の杉村知哉社長はフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、グローバル競争に勝ち抜くため、企業はナンバー2である「番頭」役の育成方式を見直し、事業戦略を遂行できる手腕を身につけさせるべきだとの考えを示した。
--今の時代、番頭役はなぜ重要か
「経営コンサルタントの役目が本来、社内のナンバー2がやるべき仕事と重なってきた。今の日本企業は大手でさえ、経験を意図的に積ませて、番頭を育成していない。そのほころびが、海外市場での競争で、商品やサービスの水準が高いのに、商売では勝てない原因となって現れている」
--経営の現場がグローバル化に対応していない
「日本と欧米の一番の違いは、経営戦略を実行に移すナンバー2群(チーム)の決め方にある。欧米は必要な機能を先に決め、それを果たせる人材を社内外から当てはめる。ある程度能力が見えており、できなかったら変えることも約束させられる。これに対し、日本は閣僚人事が示すように、この人ならできるというポテンシャル(潜在能力)で配置を決めている」
--日本式経営が通用しなくなったのか
「経済が右肩上がりの時代であれば、走りながら能力を身につけることができた。しかし、経済は成熟し、創業者が引退するなど世代交代も進んだ。先代が持っていた能力を超える人材を見つけるのは並大抵ではない。ただ、意図的にナンバー2の育成に取り組むことにより、日本の番頭は世界でも十分通用する」