【ビジネスアイコラム】自動車好決算も真摯に改革を (1/2ページ)

2014.11.24 05:00

 2014年4~9月期(上期)の主要な乗用車メーカーの営業利益合計は前年同期比約10%増となり、国内軽自動車メーカーを除けば好決算が相次いだ。下期の為替相場を1ドル=105円と前提しても、15年3月期の営業利益率は過去最高を更新する8.2%に達する公算だ。これは韓国メーカーを抜き去り、世界自動車メーカーのトップへ復活することを意味する。現状の115円レベルが持続するなら、一段と収益力を増すことが濃厚である。

 「屋久杉が年輪を重ねる」ような安定的持続成長を掲げ、将来の成長を確保するための「意思を持った踊り場」として今期の前期比減益を予想していたトヨタ自動車は、結果的に最高益更新の増益予想へ上方修正した。現状の為替レベルが持続するなら、前期比20%増の2兆8000億円を超える空前の営業利益を叩(たた)きだすことになるだろう。

 しかし、好調な収益とは裏腹に、世界販売は停滞傾向が顕著であり、輸出台数は完全に頭打ちだ。収益力改善は、やはりアベノミクスによる円安効果が絶大であり、本質的な競争力挽回(ばんかい)には至っていない。

 日本、中国、東南アジア、ロシアなどの主要地域で台数、市場シェアの伸び悩みが顕著だ。消費税率引き上げの先送りが決定したことで、国内需要の厳しい底割れは回避できそうだが、回復を楽観できない。ロシア、中南米、東南アジアの需要停滞も続く公算が大きい。販売台数、売り上げ構成での改善は視界不良で、結局、円安効果以外に収益牽引(けんいん)の要素は見当たらないのが現実だ。

 00年代以降の小泉改革時代と比較すると、現在のアベノミクスでは円安効果を享受する点は同様だが、世界市場でのシェア拡大や輸出台数、国内での自動車生産台数を拡大させる国際競争力そのものが減衰している点が大きく異なる。

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