ベンチャーキャピタルによる投融資額【拡大】
中小の町工場が集積する東京都墨田区で、新たなベンチャー企業育成の取り組みが始まった。アイデアを持つ起業家と地元の町工場がタッグを組んで製品を試作、生産態勢を確保。資金調達や販路開拓にもつなげる。起業家は資金調達前の苦しい状況下で“アイデアの具現化”ができる一方、町工場は新たな製品開発に参画することで下請け体質からの脱皮を目指せる。両者にとって「ウィンウィン」の関係を構築するもので、「墨田発のビジネスモデルを全国へ」と関係者は意気込んでいる。
新たな支援の枠組み
プロジェクトの陣頭指揮に立つのが中小・ベンチャー育成事業を展開するリバネス(東京都新宿区)。遺伝子解析ビジネスを行うジーンクエスト(東京都文京区)など、これまで20社以上の立ち上げに携わっている。
新たな枠組みによる第1号の支援先は、リバネスが今年実施したビジネスコンテストで優勝したチャレナジー(墨田区)。円筒状のブレード(羽根)を並べ、あらゆる方向からの風を効率的に電気に変える世界初の「垂直軸型マグナス風力発電機」の研究開発に取り組む。今年設立されたばかりの企業だ。