■組織風土見直し不祥事未然防止
eラーニング事業を手掛ける日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)は、オンラインで学べる法人向け教育ツール「eラーニングライブラリ」コースの新コンテンツとして「組織風土を考える 企業倫理・コンプライアンスコース」を開講した。コンプライアンス必修シリーズの第4弾で、ビジネスパーソンを受講対象としている。同コースを中核のコンテンツと捉え、eラーニング事業の売上高を毎年20%ずつ成長させる計画だ。
2000年以降、大企業による不祥事が相次いだ。会社の存続に関わる事態に陥ったケースも少なくないことから、企業コンプライアンスについての関心が急速に高まってきた。この動きを受けてJMAMは、04年にコンプライアンス必修シリーズをリリースした。これまでの同シリーズでは不祥事が起きた後に原因と背景を探ることに主眼が置かれていた。しかし第4弾では、組織の風土と文化に要因があるとの前提で、不祥事を防ぐことにより企業価値を高めることを目的としている。
「風土」は「会社内の雰囲気や気風」と定義付け、風土がその企業独自の考え方や行動に影響を与えたことを「文化」と位置付ける。
例えば上下の分け隔てのない雰囲気の風土だと、報告、連絡、相談がスムーズな良い文化を生み出す。しかし、営業成績だけで評価される風土では、結果のためには法令違反もするという悪い文化が形成されやすくなる。その結果、不祥事を招きやすくなり、会社の存続に関わるような事態に追い込まれることがある。