【本気の仕事講座】(34)佐渡の廃校を酒蔵に (1/2ページ)

2014.12.2 05:00

「壁は越えたいからできる」を信条とする尾畑酒造専務取締役の尾畑留美子さん

「壁は越えたいからできる」を信条とする尾畑酒造専務取締役の尾畑留美子さん【拡大】

 新潟県佐渡市に「真野鶴」で知られる老舗蔵元「尾畑酒造」(1892年創業)がある。日本酒に欠かせない要素「コメ」「水」「人」に「佐渡の風土」を付加した4つの宝、その和をもって酒を醸すという志を『四宝和醸』という言葉に込め、昔ながらの酒造りに取り組んでいる。全国新酒鑑評会で2001年以降10回の金賞、ロンドンで開催される「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」でも07年、14年とゴールドメダルに輝く。今回の主人公は、尾畑酒造専務取締役の尾畑留美子氏だ。

 慶応大を卒業後、日本ヘラルド映画(現角川映画)入社、「氷の微笑」「レオン」などの宣伝プロデュースを担当。1995年に尾畑酒造社長・平島健氏と結婚、72日間酒をめぐる世界半周の旅を決行して、生まれた蔵に戻る。SAKEは今や世界共通言語。小さな島での酒造りを世界のマーケットで語れることが面白くて仕方ない。

 10年前、貿易会社を介さず直接、海外のローカルパートナーと取引することは夢物語だと周囲から言われた。「壁は越えたいからできる」を信条としている。前進するから壁ができる。従って壁とは進行の証しに他ならない。

 日本貿易振興機構(JETRO)のセミナーに参加し、英語版HPを立ち上げるなど地道な努力を重ねる。程なくしてアメリカからメールが届き、50ケースの発注となった。ワールドワイドな視点は、幼少のころから兼高かおる氏をロールモデルにしてきた影響も強い。現在ではアメリカほか12カ国と取引をしている。「継続」を念頭に、目先より10年、20年後を考えてきた。

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