【ワシントン=小雲規生】3日に米下院エネルギー商業委員会の小委員会で開かれた公聴会では、議員らが相次いでタカタの清水博・品質保証本部シニアバイスプレジデントに厳しい批判をぶつけた。
「まるで散弾銃にハンドルの裏側から狙われながら車を運転するようなものだ」。ビリー・ロング議員(共和党)は、破裂して金属片をまき散らす可能性があるタカタのエアバッグを辛辣(しんらつ)な比喩で皮肉った。
議員らの怒りはエアバッグの欠陥はもちろん、欠陥の原因や経緯をはっきりさせられないタカタの対応にも向けられた。
マーシャ・ブラックバーン議員(共和党)は、ガス発生剤に爆発が強くなる可能性がある硝酸アンモニウムが選ばれたのはコストを抑えるためだったとする報道の真偽を質問。清水氏の回答が婉(えん)曲(きょく)なものになるとみると、「あなたは質問をはぐらかそうとしている」と苛(いら)立ちをあらわにした。
英語での証言に応じた清水氏は、タカタとして交換部品の生産能力を高めることを強調し、自動車各社がリコールを全米規模に拡大する場合には協力する姿勢を印象づけようとした。
だがエアバッグの破裂原因を明言せず、リコールは高温多湿地域を優先させるべきだとの立場を取ったことで、「タカタは全米でのリコールを拒否している」(民主党のジャン・シャコウスキー議員)と断じられた。議会の不信を払拭できず、タカタは今後も厳しい立場に立たされそうだ。