森林整備や環境緑化に欠かせない雑草や下草などの刈り取りは人手に頼っている。作業の負荷軽減を図るため、コスモメカニクスは小型エンジンや従来型モーターの代替動力源として小型軽量で高出力、低振動の「コアレスモータ」を開発、それを搭載した電動刈払機を製品化。来年4月にはパワーアップした最新型の販売を始める。さらにモーター自体が「小型風力発電や自動車関連など、さまざまな業種から注目され、問い合わせが増えている」(岩谷公明社長)ことから高付加価値品として、新規事業展開を目指している。
◆地場産業に貢献
コスモメカニクスの本社がある北海道旭川市は林業や木工家具などの産業で発展してきた。1980年代には林業にも大型機械が導入され、伐採した樹木の運搬をはじめ、多くの作業が省力化された。ただ、いまだに下草刈りなどの作業は、刈払機を使って人が行っている。
小型エンジンや重い従来型のモーターを動力とする機械が多く、排ガスや振動・騒音などの作業員の負担が大きい。このため作業時間は2時間以内に規制されている。「騒音障害防止対策ガイドライン」が制定されるなど、作業環境や安全に対する意識も向上し、負荷の低減が求められてきた。
コスモメカニクスはこうした課題を解決するため、2000年ごろから当時の北海道立工業試験場(札幌市北区)と共同研究を重ねた。着目したのは排ガスの出ない電気式。ただモーターのコイル巻き線方式では、鉄心(コア)に銅線を巻くためどうしても重くなる欠点があった。