【挑む】エル・ティー・エス　樺島弘明社長　ＩＴ企業と外部エンジニア橋渡し (1/2ページ)

　コンサルティング業のエル・ティー・エスは、ＩＴ業界に特化した仕事と人材のマッチングサイト「アサインナビ」を７月から提供している。企業がＩＴプロジェクトに取り組む際、人材不足という問題に直面している点を考慮。インターネットを通じて出会いの場を設定することで、課題解決につなげるのが狙いだ。樺島弘明社長は「今までにない営業チャンネルとして注目を集めている。２０１５年以降、このビジネスでの収益化を図り、それを糧に株式上場を目指す」と意欲を示す。

　－－エンジニアが不足する２０１５年問題が迫りつつある。エンジニアには多くの受注が舞い込んでいる印象がある。

　「稼いでいることは確かだが、会員を対象に行った調査では、約半分のエンジニアが希望にかなう仕事に携わっていないことが判明した。また、会員に対し『今の顧客だけで２年後の業績は安泰ですか』と尋ねたところ、『１５年前半はいいけれど１６年は分からない』といった意見が多く寄せられる。自分たちのネットワークに依存した営業の場合、『どの程度の予算が必要なのか』といった会話しか成立せず、発展が見込みにくい。今から顧客見直しを図っていかなければ、２年後は経営が厳しくなる可能性がある」

　「ＩＴ業界には優秀な人材が埋もれている。アサインナビを通じて実力勝負の場を作ってあげたい」

　－－アサインナビの仕組みは

　「外部の人材を探しているＩＴ企業が案件や希望要員に関する情報を登録する。一方、案件を探しているＩＴ企業や個人が、すでに登録されている情報に応じたり、提供可能な要員情報を新規に登録したりする。双方が必要な情報を検索し合うことでマッチングが実現する。企業・個人のスキルだけではなくて、財務情報や『どういった取引先があるのか』といった実績などもきちんと公開している。すでに５００社を超える企業が活用しており、１カ月当たり５０以上の商談が成立している」