商品開発者にとって、節目、節目で、今後どうするかを考え、決断することが重要だ(AP、イメージ)【拡大】
□エレクトリフィケーションコンサルティング代表・和田憲一郎
■重要局面では一呼吸置き全体見渡せ
商品開発に携わる者にとって、次第に開発が佳境に入り始めると、毎日がまるで嵐に遭遇したような状態になる。迫りくる日々の業務を片付けることで精いっぱいになる。しかし、責任者の場合はそれだけでは済まない。重要なのは節目、節目にあたる部分で、今後どうするかを考え、決断することではないかと考える。そのことの重要性について考えてみたい。
重要局面といえば、クルマで例を挙げると、数多くのイベントの中で最も重要で感動的なのが、試作車が初めてできたときではなかろうか。今までのデザインによるクレイモデル、設計によるCADモデルと、幾度となくイメージを膨らませてきたが、やはり実物の試作車に勝るものはない。
◆「クルマが生まれるとき」
自動車業界の方はよくご存じであるが、試作車の組み立てができたからといって、いきなり走らせることはない。最初はスタティック(静的な)確認であり、数万点に及ぶ部品の欠品はないのか、ハーネスの結線は間違っていないのか、コンピューターは所定の機能どおり動くのか、などなど数多くのチェックリスト項目を確認していく。これらの機能確認は、通常でも2~3週間、欠品や機能不具合があると1カ月以上に及ぶ。