畳の間や露天風呂といった旅館の特色を強める外資系ホテルなどが増えてきた。狙うのは平成26年に過去最高の年間1300万人を突破した訪日外国人客だ。「日本ならではの宿泊体験」を合言葉に、“日本観光ブーム”に乗った開業や改装が相次いでいる。(田村慶子)
外資系に大浴場
「旅館の様式をホテルに融合させることで、和のもてなしを世界へ伝えることができる」と話すのは、森トラスト・ホテルズ&リゾーツの伊達美和子社長だ。
森トラストグループは米スターウッドホテル&リゾートの最高級ホテル「ラグジュアリーコレクション」を誘致、27年春に京都・嵐山に翠(すい)嵐(らん)ラグジュアリーコレクションホテル京都(京都市右京区)を開業する。
同ホテルのコンセプトは「ラグジュアリー(最高級)旅館ホテル」(伊達社長)。畳の間や露天風呂のある客室で、これまでの一般的な外資系ホテルと一線を画す“旅館色”を打ち出した。「旅館=富裕層の多い中高年客」という図式でなく、宿泊の5割は外国人を見込む。