■商業高校で運営ノウハウ学ぶ
ネット通販が伸びている。便利だからだ。いつでもどこでも買える。携帯電話でも買える。支払いや受け取り方法も増えた。音楽やゲームなど、購入する財も多様だ。検索もできる。
しかし、ネット通販には課題もある。簡単に始められるため、うっかり法律に違反してしまう場合もある。販売事業者、支払い事業者、通信事業者の責任関係がわかりにくいこともある。中には意図的に誇大広告をしたり偽物を売ったりする業者がいる。本名を隠して代金を支払わせ、問題が起きると連絡できなくなる業者さえいる。
消費者をだます技を磨く業者は、付加価値を生まない。産業が発展するためには、顧客の利益になる方向で努力する業者が増えることが必要だ。そのために何が役立つだろうか。
期待したい力の一つに、商業高校での取り組みがある。ネット通販の将来を支える若者を育てるのだ。
◆利用者視点で実習
最近、高校の商業科に「電子商取引」という科目ができた。文部科学省の2010年1月版「高等学校学習指導要領解説 商業編」によれば、「情報通信ネットワーク等を活用した電子商取引や、ICT技術を活用した広報に関する基礎的・基本的な知識と技術を身に付けるため」、従来の科目が再構成された。指導するときは、取引や広告などの「課題について、具体的な事例を取り上げ、関係法規や情報モラルと関連付けて考えさせるとともに、利用者の立場に立ったウェブページを制作できるようにすること」とある。このような動きを受けて、いくつかの高校でネット通販の実習が行われている。