企業からウェブシステムなどの開発を請け負うIT(情報技術)ベンチャーのヴェルク。近年は、自社開発のクラウドサービスにも力を入れている。田向祐介社長は「受託開発と自社サービスを両輪にバランスのとれた経営を目指したい」と抱負を語る。
--事業内容は
「ウェブ関連システム、スマートフォンアプリ、クラウドサービスの受託開発を設立時から行っている。もう一つはその後に始めた自社開発のアプリやサービスだ。しっかりした事業基盤を構築してから、自社の製品・サービスに投資してきた」
--自社製品は
「最初はスマホアプリの開発から始めた。現在はクラウドサービスが中心だ。2013年2月に提供を始め、ITに詳しくない企業でも比較的簡単なアプリを作れる『パット』と、業務経営管理システムを利用でき、昨年8月に開始した『board(ボード)』がある。14年11月期の売上高は約1億円で、自社サービスは2割ぐらいを占めるようになっている」
--パットの内容は
「アプリでよく使う機能を部品として用意し、それらを組み合わせるだけで簡単なアプリが作れる。実際の製作や、米アップルのアップストアでダウンロードできるようにする作業は当社で代行する。あるファッションEC(電子商取引)サイトはパットでタイムセールを通知するアプリを開発し、顧客の囲い込みにつなげようとしている」
--ボードは
「いわゆるバックオフィス業務を行うためのもので、当社のように受託ビジネスを行う企業用にサービスを設計している。見積り書や発注書、納品書、請求書といった各種書類の自動生成ができるほか、営業見込みを立て、売り上げ分析もできる。システム開発だけでなく、プロジェクト受注のビジネスに適しているので、建設会社や会計士も使っている。提供開始から半年になるが800社強ぐらいが登録し、そのうち15%ぐらいは有料で使っている」