APPがインドネシア政府とともに森林や動物の保護に取り組んでいる「ギアム・シアク・ケチルーブキットバツ生物圏保護区」=スマトラ島リアウ州(同社提供)【拡大】
インドネシアの製紙大手、アジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)は、森林保護の取り組みを強化している。2013年2月に自然林の伐採を全面停止し、植林木から紙をつくるビジネスモデルの構築に取り組んできた。今後は、森林火災の防止・管理、泥炭地の保護・管理、地域住民による違法伐採の解消なども展開していく方針だ。
APPはインドネシア最大の財閥、シナルマス・グループの中核企業で、同国と中国の計29カ所に生産拠点を構える。年間生産能力は1900万トンを超え、製品販売先は120カ国以上に達する。かつては、インドネシアの森林に茂る自然林を紙の原料として活用していた。もちろん、同社の森林伐採は同国政府から開発権を取得して合法的に行ったものだ。
しかし、世界的な環境保全機運の高まりを受け、環境破壊につながる森林伐採は国際世論や環境保護団体の批判の的となった。一部の国では、自然林からつくられた紙の不買運動にも発展したという。