「ニンジャロック」を取り付けたサムターンを手にする滝沢潔社長【拡大】
ライナフは、スマートフォンで玄関の鍵の開閉を行えるスマート・ロック「Ninja lock(ニンジャ ロック)」を開発、販売を開始した。ドアの室内側についている、錠の開け閉めを行うために使う金具「サムターン」にかぶせて操作する仕組みで、居住者の知り合いである第三者も鍵の受け渡しをせずにスマホで入室できる点が特徴。これに伴い、ニンジャ ロックを活用して空室の有効活用につなげる新ビジネスにも着手する計画だ。
国内製のサムターンには、さまざまな形状がある点を考慮。コストを抑制するため3Dプリンターによって試作品を作り、中国の金型メーカーと連携しながら生産する体制を構築し、ほぼ全種類に対応できるようにした。
居住者など特定の人だけが使用できる仕組みとなっているが、権限者が認めた場合は第三者でも使用できる。具体的には居住者から招待メッセージをスマホで受け取り、アプリをインストールすれば開閉できるようになる。例えば両親が上京した際には、本人が不在のときでも鍵を開けて部屋に上がれる。
また、不動産管理会社は物件の下見を行う顧客に対して何らかの方法で鍵を貸す必要があるが、その手間も省ける。
一軒家を活用したシェアハウスでも威力を発揮するとみられる。住人の一人が退去した場合、複製された鍵が出回ることを恐れて玄関の鍵を交換するケースが一般的だが、今回のシステムを活用すれば、こうした課題も解消できるからだ。貸し会議室や、事務所スペースなどを共有しながら独立した仕事を行う「コワーキング」スペースでも潜在需要は大きいと、ライナフでは予測している。