北越紀州製紙が加パルプ社買収 海外で市販事業進出

2015.2.21 05:00

 北越紀州製紙は20日、カナダのパルプ製造会社アルパック・フォレスト・プロダクツの株式70%を三菱商事から今春をめどに取得し、子会社化すると発表した。三菱商事の完全子会社であるアルパックの販売会社の全株式も買い取り、海外で需要が拡大するパルプ市販事業に乗り出す。

 買収費用は2社合計で数十億円になる見込み。アルパックは640万ヘクタールの森林資源を保有し、年62万トンを生産する北米最大の市販パルプ工場を持つ。販売の6割を占める北米のほか、成長市場の中国や韓国に供給し、2013年12月期の連結売上高は約3億7000万カナダドル(約350億円)に上る。

 北越紀州は、アルパックの残り30%を出資する国内製紙大手、王子ホールディングスからも株式を取得する方向で協議する方針だ。同社は、国内で製紙の「川上分野」と呼ばれるパルプを内製しているが、今回の買収により海外でのパルプ市販事業に本格進出する。

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