□シークエンス代表 LOGOSインテリジェンスパートナー・三浦健一
■業界構造の大転換なくして活性化なし
ファン減少傾向が著しいなか、ホール経営者からは「入替しても客がいないのだから、入替するだけ無駄。蟷螂(とうろう)の斧(おの)だ」と諦観する声すら聞かれる。低貸営業の発芽期を振り返ってみると、積極的に挑戦したのは経営が追い詰められた中小ホールであり、失敗してもともとの弥縫(びほう)策の一面があった。量販店のドン・キホーテと提携して換金なしの一般景品のみで営業した低貸パチスロ店もあった。低貸ブームの淵源(えんげん)はそういう、既存の画一化された営業から脱皮した“オンリーワン”への挑戦であり、地域密着型の薄利多売営業への回帰でもあった。ただ、全国的にその営業が蔓延(まんえん)して定着すると、4円と同質の競争に戻ってしまっただけである。
業界挙げての「遊パチキャンペーン」が、その低貸ブームのなかでボーズ状態となり、やがて朝もやのように消えていった。同キャンペーンは遊技人口大幅減少の危機感から業界が旗揚げしたものであり、いまのパチンコ・パチスロ産業21世紀会マターで6団体代表者会議、遊技産業活性化委員会を中心に遊技人口回復に取り組む「遊技産業活性化プロジェクト」と次元はまるで同じものだ。つまり、業界は同じ危機感で同じような行動を繰り返していることになり、先の危機感よりも今の危機感のほうがさらに増大し、遊技参加人口もさらに落ち込んでいるわけだ。低貸という一時的集客戦術はある程度の効果もあり行政の評価も得たが、あくまで“弥縫策”に終始して中小店の自力回復には至らなかったといえよう。元のもくあみどころか、収益的には4円にくらべて後退した。