サンフランシスコのシェアスペースで毎月1回開催されるイベント。多くの日本人関係者も出席する【拡大】
京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は、米国でベンチャー企業の発掘に力を入れる。その一環として従来のシリコンバレーに加え、サンフランシスコに進出。米ベンチャーキャピタル(VC)が運営するシェアオフィスに拠点を構えることで、現地の関係者らと交流しやすい環境を整備した。これによってベンチャーとの連携を目指し、米国向け製品の開発にこぎ着けるなど新たな事業を産出する計画だ。
KCCSは2013年6月から、シリコンバレーにあるインキュベーションセンター「Plug and Play」に入居。2人のスタッフによって、これまで1000社と接点を持っており、「共同で新規事業を開発できるのか」といった観点から約50社に絞った上で、企業の精緻な調査を行っている。
サンフランシスコに進出する理由は、携帯電話関連のサービスプロバイダー中心にベンチャーが急激に増えているため。活動拠点である「コワーキングスペース」も十数カ所に上るなど活況を呈している。
出張ベースで週に2~3回程度、サンフランシスコに足を運んでいたが「常駐した方がネットワークが拡大し効率的に会える」(経営企画本部経営企画部の相澤輝明・海外事業開発課長)という考えから現地に新たな拠点を設けた。
進出に当たっては、「Zen Square」というシェアオフィスのスポンサーシップ・プログラムに参加。オフィスは起業家や投資家、学生、企業が気軽に出会える場で、情報収集活動を推進する。
KCCSは京セラグループで売上高は1000億円を超える。しかし、京セラ本体向けの比率は7%にすぎないことから「ベンチャースピリットを持ちながら新しい市場を開拓する」(木皮優・経営企画本部長)という風土がある。