イカナゴのくぎ煮の発送に便利なレターパックをアピールする明石郵便局の南本道寛局長(左)と高橋健二副局長【拡大】
■くぎ煮専用容器発送が好評
郵便局が一年でもっとも忙しいのは年賀状の時期だが、瀬戸内海に面した兵庫県南側の地域では今、もう一つの書き入れ時を迎えている。遠く離れた家族や知人に、春を告げる手作りの味覚、イカナゴのくぎ煮を送る人が多いためだ。発送数は毎年およそ100万個。水揚げの中心、明石市の明石郵便局(南本道寛局長)は、ニーズをさらに掘り起こそうと奮闘する。
イカナゴの稚魚はコウナゴとも呼ばれ、甘辛く煮たつくだ煮を家庭で作るのが兵庫県南部の春先の風物詩。カタログ販売の「ふるさと小包」でも、全国で三本の指に入る人気商品だ。
この季節、明石局の1階集荷室は毎日、管内21局から集まったくぎ煮の荷物が天井まで積み上がる。窓口に5個を持ち込んだ地元の主婦は「くぎ煮を炊かないと春が来ない。子供や友人に送るのが毎年の習慣」と笑った。
日本郵便がこの習慣に目を付けたのは11年前。小さい荷物を手軽に送れる「レターパック」の利用増につなげるため、ちょうど良いサイズのくぎ煮用プラスチック容器と合わせて売り込んでいる。3年前には県南部729局の発送数が100万の大台を超えた。宅配最大手のヤマト運輸も専用ボックスを提供し、ニーズの取り込みを競っている。