濱口理佳氏【拡大】
□ワールド・ワイズ・ジャパン代表 LOGOSプロジェクト主幹・濱口理佳
■「不要」のレッテル、貼られてからでは遅い
遊技産業の在り方などを考える際に、大人のたしなみという共通点で、アルコール産業やたばこ産業と比較することがある。ただ、後者の場合、すでに「不要」というレッテルを貼られた産業との認識が強い。しかしながら、たばこ産業も積極的にCSR(企業の社会的責任)活動を展開。未成年者の喫煙防止、喫煙マナーの向上、地方自治体との連携による地域社会への貢献など、その取り組みも多岐にわたる。
だが、社会の目はシビアだ。独立行政法人国立がん研究センターが作成したリポート「たばこ業界と企業責任-内在する矛盾」は「たばこ企業はどのようにして、きわめて有害な製品を製造・販売することで最大限の利益を得るというその主目的と、CSRの目標である倫理的価値と社員や消費者、地域社会、環境への敬意に基づくビジネス規範とを調和させられるのだろうか?」と疑問を投げかける。すなわち、たばこ製品は合法だが、それらは命を脅かすものでもあり、CSR活動の点においてたばこ企業はその他の消費財会社と肩を並べることはできないという主張だ。最後にこのリポートは「企業としての社会的地位を得るための見え透いた努力や慣行を変えたという主張にもかかわらず、依然たばこ企業はその製品の販売を促進し、市場を拡大し、さらに多くの利益を得るために、大量の非倫理的で無責任な戦略を用いている」とくくる。