ICSパートナーズ峯瀧健司社長【拡大】
税制改正などに素早く対応しM&A(企業の合併・買収)を効率的に進めるためにも高度な企業向け会計システムへの注目が集まる。半面、開発会社間の競争も厳しさを増す。こうした中、システム開発などを手掛けるICSパートナーズの峯瀧健司社長は1月に専務から昇格したばかり。「若手社員の採用と教育に力を入れることが中長期的な課題」と語る。
--採用体制を強化する狙いは
「何かに着手する際、『技術者を確保し迅速な開発体制を構築できているか』といった開発リソースの領域が最後の鍵となる。IT(情報技術)技術者不足の中、当社のような知名度が低い会社では大手のようにはうまくはいかないが、地道に取り組んでいく。5年後には開発要員を2倍に増やしたい」
--具体的にはどういった形で進めていくのか
「採用活動は大阪本社をメーンにする。開発部門を大阪に設置しており、ライバルとなるソフト会社の数も少ないからだ。地元大学とのパイプづくりを進め、優秀な人材を確保したい。新卒・既卒を含めて毎年10人ずつ社員を増やす計画で、このうち半分以上はエンジニアになる見通しだ」
--社員教育のあり方も重要になってくるようだ
「中途入社組の場合、従来は新卒組とタイミングがずれたらOJT(オン・ザ・ジョブトレーニング、職場内訓練)で対応していたが、一緒に研修を受けてもらうようにする。また、若手の採用・育成にはこだわりたい。経験はあるにこしたことはないが、それが大きな武器になるとは限らない」
「配属後は営業なら営業一本、開発なら開発一本という形でキャリアを積むケースが多かったが、人材交流にも積極的に取り組む。開発者のスキルが高かったとしても、現場に出て顧客の生の声を聞き、フィードバックさせなければ、いい製品を作ることができないからだ」