「光卸売り」はNTT最大の機能再編 通じぬ固定電話時代の政策 (1/5ページ)

2015.4.21 07:00

東京都新宿区の「ビックロビックカメラ新宿東口店」

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  • NTTの鵜浦博夫社長

【通信大競争 30年攻防の行方】(1)

 NTT社長の鵜浦博夫(66)は今年2月、総務省の幹部をひそかに訪ねた。

 「ルールを変えなくてもやれる。新しいサービスの芽を摘まないでほしい」

 鵜浦が同幹部にそう切り出したのは、同月からNTTが始めた光回線を利用するブロードバンド(高速大容量)通信サービスの“卸売り”について。業界他社などの反発がある中、過剰な規制をかけぬよう理解を求めたのだ。

 他人頼みで普及加速

 NTTが「光コラボレーション」と呼ぶ光サービスの卸売りは、NTT東西が販売していた「フレッツ光」の個人向け販売を他の通信事業者や異業種に任せるものだ。企業は設備や課金システムなどがなくても独自サービスに乗り出せる。

 NTTにとっては、頭打ちとなっている光サービスの普及を他人頼みで加速できるメリットがある。そして何よりも、他社と同等条件でNTTドコモにも光回線を卸し、同社の固定通信販売に道を開くことが大きな狙いだった。

ドコモにとっては1991年設立以来、果たせなかった固定通信サービス事業参入だ

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