□日本サイトM&A協会代表理事・和家智也
売却ウェブサイトの中には、売れやすい案件とそうでない案件がある。売れやすい案件、実際に売れている案件をみると、(1)利益が出ている(2)アクセス数や会員数が多い(3)成長市場をターゲットにしている-という3つの共通点がある。
これらの共通点を具体的に解説しよう。まず、利益が出ているウェブサイトは、どんな事業を買収するにしても当てはまる。黒字の事業と赤字の事業があれば、明確な目的がない限りわざわざ赤字の事業を好んで買う人はいない。買い主が既存事業との相乗効果が生まれることを期待しているのは前提としてあるが、買収したウェブサイトが単体で利益を出していれば、相乗効果が生まれなかった場合でも、事業継続において負担にならない。
特に売買されている案件はネットショップだ。化粧品、アパレル、カラーコンタクト、ダイエットサプリなどの女性向け商品を販売するネットショップは買い手側から人気が高い。販売対象の顧客が明確であり、リピーターによる売り上げが見込め、商品を仕入れて販売するというモノとカネの流れの引き継ぎがしやすいということも売買が活発な理由となっている。
次に、アクセス数や会員数が多いサイトもよく売買されている。アクセス数が多いウェブサイトとは、情報発信を行うポータルサイトやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)コミュニティーサイトなどで、これまでに「アイドル最新情報ポータルサイト」を売買したこともある。