日本政策投資銀行が岩手銀行と共同で実施したセミナーには、女性起業家を中心に80人が出席した=2014年12月【拡大】
日本政策投資銀行は地銀などと連携して、地方在住の女性起業家の発掘を本格化させる。各地方ごとにセミナーを開催。名産品を活用して事業を進めている女性経営者のプレゼンテーションなどを通じて起業を身近に感じてもらうことで、政投銀が主催する女性経営者を対象にした顕彰制度への参加を促す。安倍晋三政権は女性の社会進出と地方創生に力を入れている。政投銀では一連の取り組みを通じて、政府の成長戦略を後押ししていく。
セミナーの第1弾は昨年末に静岡県と岩手県で、それぞれ静岡銀行、岩手銀行と組んで実施した。静岡市のセミナーでは、地元名産品であるオリーブオイル専門店を経営する起業家がプレゼンテーションを実施。オリーブオイルという農産物の“6次産業化”による地域活性化の意義を説明した。静岡には50人、岩手には80人が参加し自発的な交流が行われるなど、女性起業家・予備軍の間で高い関心を集めた。
第1弾が好評だったこともあり、今後もセミナーを地銀や地方自治体、起業家の支援団体と連携しながら実施していく方針。年6、7回の開催を計画しており、各地域の特色に応じたプログラムを策定し、起業の機運を高めていく。
一方、政投銀では「女性新ビジネスプランコンペティション」を開催している。第4回となる2015年度(6月に表彰式)からは、地域産業の活性化につながるプラン「女性起業地域みらい賞」を創設するなど、地方を拠点に活躍する起業家の発掘を重点課題として掲げている。各地でのセミナー参加者に参加を呼びかけていく方針だ。