北越紀州製紙を除く製紙大手4社の2015年3月期連結決算が15日出そろった。昨秋からの円安が木質チップなど輸入原料の価格を押し上げ、収益を圧迫。最大手の王子ホールディングス(HD)と日本製紙は本業のもうけを示す営業利益が大幅減となった。一方、固定資産売却などで補った日本製紙と大王製紙の最終利益は増加した。
王子HDは、木質チップや古紙、加工用薬品といった原燃料価格の上昇が営業利益を計199億円減らし、前期比24.7%の大幅減益となった。古紙の需給逼迫(ひっぱく)に円安が追い打ちをかけた格好で、印刷用紙などの値上げでは吸収しきれなかった。
同社は目立った資産売却をしなかったため、最終利益も48.7%の大幅減となった。「段ボール製品など一部値上げを検討する」として、16年3月期は増収増益を計画する。
日本製紙は、原燃料価格の上昇が160億円の営業減益要因となったものの、最終利益は不動産を売却したことから1.8%増えた。
三菱製紙は高砂工場(兵庫県)の一部生産設備の休止に伴う減損損失などを計上、最終赤字に転落した。
一方、大王製紙は印刷用紙の値上げに加え、高価格ティッシュや紙おむつなどの衛生用品販売が好調だったため、唯一の増収増益を達成した。