【Bizクリニック】トラブル防ぐ事業譲渡契約書 (1/2ページ)

2015.5.19 05:00

 □日本サイトM&A協会代表理事・和家智也

 ウェブサイトの売買は「事業譲渡」という手法が多い。譲渡対象物には何が含まれるのか、代金はいつ支払うのか、譲渡実行日はいつなのか、引き渡し方法はどうするのか、お互いが守るべき義務にはどのようなことがあるのかなどを売り手と買い手で合意し、事業譲渡契約書にまとめる。この契約書に抜けや漏れがあると、後でもめ事になってしまうので注意を要する。

 実績のあるサイト売買仲介者であれば、過去の経験からトラブルになりそうなことを前もって事業譲渡契約書に盛り込むようアドバイスができる。しかし、仲介者を介さず売り手と買い手の当事者間で契約を済ませてしまった場合に、トラブルはよく起きている。日本サイトM&A協会にも相談が寄せられている。

 もっとも多いトラブルは「競業避止義務」についてだ。通常、売り手は譲渡するウェブサイトと類似する事業を新たに始めてはならない。もし、売り手が同じようなウェブサイトを立ち上げてしまえば、すぐさま買い手の競合となってしまうからだ。

 売り手からは、これまでのウェブシステムやノウハウ、取引先や顧客を利用して類似事業を一切やらないという確約を得て、契約書に明記する。これが競業避止義務だ。しかし、当事者間で締結した契約書を見ると、競業避止義務の条項が盛り込まれていなかったり、その制約設定が甘かったりしている。

 次に多いトラブルは「引き継ぎ」についてだ。ウェブシステムの概要書や運営手順マニュアル、過去の取引履歴など、書類での引き継ぎは必要不可欠。ところが、運営スタッフの転籍がない場合に、引き継ぎの甘さが出る。

 売り手が長野、買い手が熊本という地理的に離れたケースの相談では、契約書に「引き継ぎは電話とメールのみで対応する」との記載があり、訪問や対面による引き継ぎ義務は書かれていなかった。

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