□ホールマーケティングコンサルタントLOGOSプロジェクト上級研究員・岸本正一
■実践的マーケティングを機能させるために
厳しい業況が続くパチンコホール業界だが、この状況を打破するために有効なマーケティング活動がなかなか見えてこない。私も20年以上、この業界のマーケティングを研究し続けているのだが、業界全体を見渡してもまだまだマーケティングが活発化していないと感じざるを得ない。
かつて某著名シンクタンクの有名コンサルタントが「パチンコ業界ではマーケティングなど機能しない」と言っていた。この人はもう引退しているが、この考え方に当時も現在も大きな違和感を抱いている。理由は単純だ。仮にこれまで有効なマーケティング手法が皆無だったとしても、それがホール業界においてマーケティングが機能しないことの証明にはならないからだ。また、すべてのホールがうまく実行できないからといって、そのマーケティング手法が限定的あるいは例外的なものであると考えるのも間違っている。
このような状況であるためか、なにやら有名な学者が過去に発表したマーケティング理論がホール業界では特に持てはやされるように感じる。個人的には「ランチェスター理論」や「孫子の兵法」をいきなりホールマーケティングに適用しようとするには明らかに無理があると感じている。