江戸川乱歩の小説『幽霊塔』をモチーフに、宮崎駿氏がデザインした高さ約12.5メートルの時計塔=(C)Nibariki(C)Museod’ArteGhibli(C)StudioGhibli【拡大】
乱歩の迷宮の世界をジブリ流に再現-。東京都三鷹市の三鷹の森ジブリ美術館で30日から新企画展示「幽霊塔へようこそ展-通俗文化の王道-」が始まるのを前に、内覧会が29日に開かれ、宮崎駿監督が企画した展示物が公開された。
今回の企画は、江戸川乱歩の小説『幽霊塔』をモチーフに、高さ12.5メートルの時計塔や迷路、パネルなどの展示で構成されている。宮崎監督は中学時代に『幽霊塔』を読んで、絶世の美女と主人公の青年とのロマンスに憧れ、監督を務めたアニメ映画「ルパン三世 カリオストロの城」にも影響を与えている。
今回は、小説の主舞台となっている時計塔を宮崎監督らしい味付けで再現したほか、子供はなかなか抜け出るのが難しい地下迷宮のような迷路(小学生以下を対象)を設置。さらに、宮崎監督自らが描き下ろした漫画パネル19枚を展示している。
同美術館の中島清文館長は「今年の展示も宮崎監督が企画から監修までかかわり、自ら造形物をデザインしました。らせん階段をくるんで時計塔を作ってしまおうというのは宮崎監督でないと思いつかない。いろんな宮崎作品のモチーフのきっかけとなっているのがこの小説で、宮崎監督の頭の中をのぞいて見てもらえるような展示物になっていると思う」とアピールしていた。
展示は30日から来年5月までを予定。入場は日時指定の予約制で、毎月10日から全国のローソンで翌1カ月分を販売する。また、7、8月は先行抽選販売を実施しており、7月分は5月31日まで、8月分は6月25日から30日までがそれぞれ申込期間となっている。